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評さとは?/ レイク

[ 787] ASTATINE:・・・と評さない理由。
[引用サイト]  http://blog.livedoor.jp/april_29/archives/10835336.html

エロゲーが「文学作品として優れている」という意見を言う人がいる。作品への感じ方は人それぞれだから別に構わないが、そう発言する方々の多くが、その物語のテーマの「高尚さ」とか「緻密さ」を盾に取るのは、評し方としてはどうかな・・・と思うことがある。主にその対象になるのは、前者はKey作品、後者はType-Moon作品なのだが、さて、この作品らは、「文学作品」と呼んでよいのだろうか?
なぜ、こんなことを言うかというと、私自身は、KeyにもType-Moonにも、と言うより、全てのエロゲーを「文学」とは思っていない。(正確に言えば、「鬼哭街(Nitro+)」は除く)ライトノベルやマンガは、文学の範疇だと思うが、少なくとも、他は「ゲーム」であって、文学とは別物と見ている。それは簡単に言うと、文学とは違って、ゲームには、「プレーヤーの意思が存在しなければならない」から。「腐り姫(Liar-Soft)」のレビューでの、ビジュアルノベル論で、書いているのだが、「プレーヤーが介入する余地」というのは、ゲーム独特のアプローチである。文学作品の多くは、作者によって「すでに書き終わった」モノだ。このため、読者は作者の意図に全て縛られ、その思想を文章から読み取る必要がある。ゲームはそうではない。ゲームは、「プレイする=読む」動作とその選択は、プレーヤーに委ねられ、好きなキャラで止めるのも、フルコンプを目指すのも自由である。そして、エロゲーの場合、何より、グラフィックとサウンドの相乗効果により、ゲームの「物語」は構成される。
これを体現したのが、「Forest(Liar-Soft)」。一枚絵のグラフィックが洒落じゃなくて“一枚”しかなく、テキストとボイスを遊離させ、台詞と朗読を混在化、さらにサウンドはBGMと効果音の“重ね合わせ”で不協和音を作り上げた。「Forest」は物語の“構築”すらプレーヤーに委ねながら、作者が意図する方向性は一つ。その意図する“主旨”の作中の説明一切無し。・・・というのが、この作品が、言い方は変われど、多くのユーザーから「空前絶後」と呼ばれる理由である。膨大な英国児童文学ネタに振り回されて、この作品への誤解が大きいのは悲しいことだが、製作陣のゲーム開発への取り組み方を見ていると、意図的に(「分からない」という意見が多発するだろうことでさえも)やっていることは、何となく分かる。
ゲームは、総合的なエンターテインメントであり、私は、その点から、どんなことがあろうと、エロゲーを「文学」とは評さない。第一、絵師やプログラマー他、他の方々に対して失礼だろう。
これは言い換えると、ゲームのキャラの暴走もあまり好い気はしないと言うことだ。キャラはゲームの“物語”によって、命を吹き込まれる。故に、ゲーム“発売前”にキャラ商品出す・・・という商法は、さすがに首を捻りたくなる。購買者がいるからだと思うが、ゲームで性格が分からんのに、ドコをドーユー風に“萌えている”のか、たまに疑問に思うことがある。・・・何のことを言っているかって?・・・コレのこと。こんなやり方は、ALICEやELFなどの大手では珍しくないとはいえ、この頃、ちよれんは、それを多用し過ぎかなぁ・・・。(ageなんか、君望一本で関連作品出しまくっているので、オルタこけたらどーするんだろう・・・と他人事ながら心配になる。)と、思ってしまう。・・・ハロワで、この手の失敗には、懲りたと思っていたんだがなぁ・・・。
出張で出かけたついでに映画、しかもエロゲと関わりの深い新開誠の『雲のむこう、約束の場所』を見てきました。自分のところに書きましたけど、この作品が映画としてかなり良い出来な分、「映画の限界」をも感じたのです。
Forestの物語は、やろうと思えば、幾らでも矮小化できるんですよ。それこそ、単純に痴話喧嘩に落とすことは、誰でもできる。それを性的表現としての「人間の生臭さ」と、精神表現としての「人間の純粋さ」を、朗読劇で描き、それを“プレーヤーが構築する物語”として構築した。この物語を自分で紡いでいる“楽しみ”と言うのは、結構、大きいのではないか?・・・と思っています。映画とかは、どうしても、一方通行なモノですから。不要と思われる箇所もあるし、逆に必要と思う箇所もある。Forestはそれを取捨選択しながら、物語を作者が意図する方向に導かねばならない。この「考察」する楽しみに比べれば、やはり、“与えられる”楽しみは、多少落ちるのは否めないと思います。

 

[ 788] 1.21ジゴワット 映画評さ行
[引用サイト]  http://oscar.blog2.fc2.com/category15-1.html

007ビギンズになれなかったよ「バットマン・ビギンズ」以降、シリーズものをリセットしようという動きが盛んである。「スーパーマン・リターンズ」はパート2の続きという特殊な形だが、リセットに成功したいい例だ。そして007までもがこの流れに乗った。007のリセットポイントは、荒唐無稽にスケールアップしたアクションやガジェットを、リアル路線に持っていくことである。その荒唐無稽さこそが007の醍醐味だとは思うのだが、これも必然的な流れだろう。そして今作では00の称号を得て間もない頃のボンドを描くという、ストーリー的に見ても完全なリセットだ。結論から言ってしまえば中途半端なリセットと言える。失敗はまず、ボンドのイメージからリセットしようとしたところだ。賛否両論あるが、僕にはどうしても、ダニエル・クレイグがふさわしかったとは思えない。賛成派の意見も“最初は不安だったが〜”とか“実際に観てみたら〜”といった煮え切らない枕詞が付いているものが多く、頑張った彼に対する敢闘賞的な票が多数を占めると思われる。キャラクターのイメージを変える必要はない。「スーパーマン・リターンズ」のように、直球ド真ん中の役者を据えてもリセットは可能なのだ。脚本もよくない。ポール・ハギスが関わっているということで期待していたのだが、見事に外された。特にカジノでのポーカー以降の、終わりそうで終わらないだらだらとした展開が問題だ。これは、この物語の大目的が提示されず、着地点が見えないせいで起こっている。それゆえ、お馴染みの名乗りをあげるラストシーンもカタルシスに欠ける。これはリセットうんぬん以前の欠点だ。皮肉にもボンドガールはリアル路線にリセット完了していた。そこだけはファンタジーでよかったのに。★★★☆☆--------------------007 カジノ・ロワイヤルCasino Royale06/英・チェコ・独・米監督:マーティン・キャンベル脚色:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス製作:マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ製作総指揮:アンソニー・ウェイ、カラム・マクドゥガル音楽:デヴィッド・アーノルド出演:ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、マッツ・ミケルセン、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト、ジャンカルロ・ジャンニーニ、カテリーナ・ムリーノ テーマ:カジノロワイヤル - ジャンル:映画
禁断の愛【結末にふれていますので未見の方はご注意下さい。】ジグソウことジョンがゲームを行う目的は、“生”をないがしろにしている者に対して、その大切さを再認識させることである。従って、生への執着を見せ、ゲームに勝ったものには、生きる権利を与えてきた。ゲームのルールを守らず、また、いまだに自傷癖の治らない落ちこぼれ仕掛け人のアマンダに、ジョンは自らの命を懸けて最後のテストを用意した。ここでアマンダに立ちはだかるのは“嫉妬心”である。師であるジョンに愛情を抱いていたアマンダは、ジョンの治療にあたるリンと、リンを頼りにするジョンという図式に、しだいにナーバスになっていく。ジョンの危機に役に立てないもどかしさもあり、リンへの嫉妬心ばかりが膨らんでいったのだ。そして、自分を変えることができず、嫉妬心の壁を乗り越えられなかったアマンダは、最悪の結末を迎えることになる。これまで、“生に執着せよ”というホラー映画らしからぬポジティブなメッセージを発してきた本シリーズだが、今回は少々説教臭くなってしまった。2点/5点満点--------------------ソウ3Saw III06/米監督:ダーレン・リン・バウズマン脚本:リー・ワネル製作:グレッグ・ホフマン、オーレン・クールズ、マーク・バーグ共同製作:グレッグ・コープランド製作総指揮:ダニエル・ジェイソン・ヘフナー、ジェームズ・ワン、リー・ワネル、ステイシー・テストロ、ピーター・ブロック、ジェイソン・コンスタンティン音楽:チャーリー・クロウザー出演:トビン・ベル、ショウニー・スミス、アンガス・マクファデン、バハール・スーメキ、ダイナ・メイヤー テーマ:SAW3 - ジャンル:映画
ジャーー。反吐BGMにヒップホップの流れる予告編を観た時に、戦争映画もついにそういう時代に突入したか、と妙に感慨深かったのを覚えている。ここには現代の若者達の戦争体験がリアルに描かれている。最前線に出ることなど稀なことで、ひたすら待機を命じられ雑用にいそしむ。国に残してきた嫁や彼女の浮気に気をもむ毎日。戦場に来た意義を見つけるため、人を撃つことに固執する若者が痛々しい。ドアーズの「ブレイク・オン・スルー」を耳にして兵士のひとりが呟く。ベトナム戦争の時の歌だ。「地獄の黙示録」も彼らにとってはただのアクション映画。士気高揚のための道具になってしまう。「フルメタル・ジャケット」の鬼教官も今や生きる化石。ほとんどパロディだ。随所に描かれる、ベトナム戦争との温度差。海兵隊は変わらずとも、そこに入隊する若者の意識は大きく違う。帰国した主人公達とそれを出迎えるかつてのベトナム帰還兵とのやりとりが印象的だ。3点/5点満点--------------------ジャーヘッドJarhead05/米監督:サム・メンデス脚本:ウィリアム・ブロイルズ・JR. 製作:ダグラス・ウィック、ルーシー・フィッシャー製作総指揮:ボビー・コーエン、サム・マーサー音楽:トーマス・ニューマン音楽スーパーバイザー:ランドール・ポスター出演:ジェイク・ギレンホール、ピーター・サースガード、ルーカス・ブラック、クリス・クーパー、ジェイミー・フォックス テーマ:●洋画レヴュー● - ジャンル:映画
仁義ある戦い久しぶりに必死で生きているヤツらを見た。それも“愛”と“仁義”のために、である。今や口にすることさえ恥ずかしいこれらの言葉。しかしこの映画の世界では、“愛”と“仁義”を重んじることこそが美学なのである。原作者であり監督のフランク・ミラーは英語版「子連れ狼」の表紙も描いているのだとか。あんたかっこよすぎるよ!この作品には、ロアーク一族という仁義なき悪党に立ち向かう、仁義ある者達の姿が描かれている。マーヴ、ドワイト、ゲイル、ナンシー、そしてハーティガン。前科者、脱獄犯、娼婦、ストリッパー、刑事と肩書きは全く違う。年齢も11歳の少女から定年を迎えた老人まで、また、性別も様々だ。しかし彼らに共通しているのは、体を張って愛と仁義を守り抜く心意気。まさしくここには、我々日本人が久しく忘れてしまっているサムライの精神がある。いくらロアークがこの街をシン・シティ―罪の街―と呼ぼうとも、彼らのようなサムライ達がいる限り、ここはベイシン・シティであり続けるのである。4点/5点満点-------------------- シン・シティ Sin City 05/米 監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラーゲスト監督:クエンティン・タランティーノ 脚本:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー 製作:エリザベス・アベラン、ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー音楽:ロバート・ロドリゲス、ジョン・デブニー、グレアム・レヴェル 出演:ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェン、ジェシカ・アルバ、ベニチオ・デル・トロ、イライジャ・ウッド、ジョシュ・ハートネット、ブリタニー・マーフィ、デヴォン・青木、ロザリオ・ドーソン、ニック・スタール、マイケル・クラーク・ダンカン、ルトガー・ハウアー、マイケル・マドセン、ジェイミー・キング テーマ:シンシティー - ジャンル:映画
名ボクシング映画に名セコンドありロッキーにミッキーがいたように、ジョーに丹下段平がいたように、ボクシングものの良さはセコンド役で決まるといっても過言ではない。そう、この映画で一番輝いているのは、試合のシーンを地で演じたラッセル・クロウでも、何度目かわからないダイエットで大恐慌の貧乏暮らしに耐える妻を演じたレネー・ゼルウィガーでもなく、宣伝効果がないからか名前を出してもらえず映画を観るまで出演していることに気づかなかったポール・ジアマッティである。自分のためか、それとも金のためか?ボクサーにとって完全に信用しきることのできない微妙な存在。試合の話を持ちかけられても、どこか裏があるんじゃないか?的なうさんくささ。そんな難しい役をバナナマン顔で見事に演じきっている。まったく。こんないい俳優が、こんないいオヤジになるまでどこで何をしてたんだろう。サル→マンガ家→酒飲み→セコンドと、進化してるんだか退化してるんだかわからないジアマッティに完敗、じゃなくて乾杯。3.5点/5点満点-------------------- シンデレラマンCinderella Man05/米監督:ロン・ハワード脚本:アキヴァ・ゴールズマン、クリフ・ホリングワース製作:ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、ペニー・マーシャル製作総指揮:トッド・ハロウェル音楽:トーマス・ニューマン出演:ラッセル・クロウ、レネー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ テーマ:シンデレラマン - ジャンル:映画

 

[ 789] 1.21ジゴワット 映画評さ行
[引用サイト]  http://oscar.blog2.fc2.com/blog-category-15.html

みんな短髪短髪言うけど・・・ゾディアック事件という未解決殺人事件を題材に、それに関わることで人生を狂わされていく男達の姿を描く。ちょうど韓国映画の「殺人の追憶」と同じような構図である。面白いのはデビッド・フィンチャーが「ブラック・ダリア」を蹴って本作を選んだという事実である。奇しくも、どちらも殺人事件を捜査するうちに取り憑かれていく人間が描かれているのだが、ゾディアック事件が幼少期のフィンチャーの身近で起こったという理由以外に、この事件がメディアを巧みに利用した初めての犯罪であることや、謎を追いかけ深みに嵌っていくのが事件捜査を本業としない漫画家であること、また、時代背景の興味深さなどを比べても、フィンチャーが「ゾディアック」に惹かれるのはすごく納得のいくことである。いつもの映像的趣向は抑え、ドキュメンタリータッチに徹しているが、それでも画面の端々から感じられる強い作家性が、ファンにとっては面白い。また、興味深いのが、ゾディアックをモデルにした殺人者スコルピオが登場する映画「ダーティハリー」が、ゾディアック事件真っ只中の71年に製作され公開されたということに、改めて気付かせてくれるところである。法で裁けない犯人をバッジを捨てて射殺してしまうハリー・キャラハンというヒーロー像は、当時のアメリカ国民の感情を反映したものだろう。劇中、リー・アレンという男が限りなく黒に近い容疑者として描写されるが、それでも逮捕できないという事実が、観ている我々にもグレイスミスと同じジレンマを抱かせる。このあたりの構成も見事である。3点/5点満点-------------------- ゾディアックZodiac07/米監督:デビッド・フィンチャー脚本:ジェイムズ・バンダービルド原作:ロバート・グレイスミス製作:マイク・メダボイ、アーノルド・W・メッサー、ブラッドリー・J・フィッシャー、シーアン・チャフィン、ジェイムズ・バンダービルド製作総指揮:ルイス・フィリップス音楽:デビッド・シャイア出演:ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、アンソニー・エドワーズ、ロバート・ダウニーJr.、ブライアン・コックス、ジョン・キャロル・リンチ、クロエ・セヴィニー、イライアス・コティーズ テーマ:★ゾディアック★ZODIAC★ - ジャンル:映画
日曜ランボー原作は“インテリのランボー”と言われたそうだが、アクション主体に置き換えた映画版は、マーク・ウォールバーグのキャラクターも相まって(笑)、インテリのイの字も感じさせない。むしろ、必要な物はなんでもホームセンターで調達してしまう、Do It Yourselfなランボーと言える。そんな風に一見、主人公の強さが荒唐無稽に写りがちだが、ギリギリの所でリアリティを踏み外さない点がこの作品の魅力である。大人数を相手にする時は綿密な計画を立てて爆薬を設置し、仲間との連携を取りつつ攻略するという、説得力のあるアクションシーン。また、相手の部隊も24人という、現実感のある数だ。そして、傷を負ったら止血だけでなく点滴も、さらに応急処置だけで済まさず、きちんと手術する所まで描写する。決して不死身のヒーローではないのだ。相棒となるメンフィスのキャラもまたリアリティがある。新人であるが故のミスを犯しはしたが、そこはやはりFBI。少ない証拠から推理をしていく能力には長けているし、行動力もあり、射撃の腕も申し分ない。仮にも厳しい訓練を受けてきたFBIの一員である。足手まといキャラというわけではない。雪山で取引を行う場面、遠くから颯爽と歩いて現れるシーンは、「フォー・ブラザーズ 狼たちの誓い」の名場面を彷彿とさせるという、マーク・ウォールバーグファンにはうれしいオマケもある。最後に一言。直接言葉に出すことなく、暴力による解決を後押しする司法長官、あんたも男だ!3点/5点満点 -------------------- ザ・シューター 極大射程Shooter07/米 監督:アントワーン・フークア脚本:ジョナサン・レムキン原作:スティーヴン・ハンター製作:ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ、リック・キドニー製作総指揮:エリック・ハウサム、マーク・ジョンソン音楽:マーク・マンシーナ出演:マーク・ウォールバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローバー、ケイト・マーラ、イライアス・コティーズ、ローナ・ミトラ、レイド・シャーベジア、ネッド・ビーティ テーマ:ザ・シューター 極大射程 SHOOTER - ジャンル:映画
三百人の侍惚れぼれするほど潔い映画である。同じフランク・ミラーのグラフィックノベルが原作である「シン・シティ」とも共通するテーマ、武士道の精神を、これ以上ないほどシンプルに描いている。そして、時代考証よりも格好良さを優先したビジュアル。実際は甲冑に身を包んでいたなどという当たり前のことは承知の上で、あえてパンツにマントを選ぶという男らしさ!(上半身裸のレオニダス像も残っているが、戦闘時はもちろん甲冑だろう。)内容なんてシンプルでいいし、ビジュアル的に格好良けりゃいい。余計なものは削ぎ落とし、全てをわかっている男がひとまわりした先にたどり着いた究極の形だ。そういった、メッセージをストレートに伝えるという点では、「ロッキー・ザ・ファイナル」と共通している。この映画を「スパルタカス」や「グラディエーター」や「トロイ」と比較して語るのは、とんでもなくナンセンスなことだ。また、面白いのはこの物語が、テルモピュライの戦いで生き残った男(正確には、この戦いでのスパルタ軍の勇姿を伝え広め、新たな軍を指揮するために、レオニダスに選ばれた男)の口から、これから戦地に赴く仲間達に、士気高揚のために語られているという体裁をとっているところだ。それゆえ、普通のゾウやサイが巨大なクリーチャーのように描かれ、鎖で繋がれた怪力男やクセルクセスも大きく表現されている。ペルシア軍の100万という数字も誇張である。史実では多く見積もっても21万だったと言われている。しかし、“彼等はたった300人で100万人を相手にしたんだ”と語った方が、士気も高まろうというものだ。この“ほどほどの誇張感”は、ティム・バートン監督の「ビッグ・フィッシュ」に通じるものがある。あの映画では、2メートルそこそこの男や双子の姉妹が、父親の話っぷりで誇張され(または聞かされる息子の想像力で膨らまされ)、前者は家をも動かしてしまうほどの大男として、後者は腰の部分が繋がったシャム双生児として描かれていた。ペルシア軍は決して「ロード・オブ・ザ・リング」のようなクリーチャー軍団ではないので、お間違えなきよう。映像的には、会話シーンが普通過ぎるカット割で撮られていたり、若干やり残した感がある。しかし、フランク・ミラーの武士道精神を見事に映像化しており、それを補って余りある程の傑作に仕上がっている。4.5点/5点満点 -------------------- 300<スリーハンドレッド>30007/米 監督:ザック・スナイダー脚本:ザック・スナイダー、カート・ジョンスタッド、マイケル・B・ゴードン原作:フランク・ミラー、リン・バーリー製作:ジャンニ・ヌーナリ、マーク・カントン、バーニー・ゴールドマン、ジェフリー・シルバー製作総指揮:フランク・ミラー、デボラ・スナイダー、クレイグ・J・フローレス、トマス・タル、ウィリアム・フェイ、スコット・メドニ、ベンジャミン・ワイズブレン音楽:タイラー・ベイツ出演:ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディー、デイビッド・ウェナム、ドミニク・ウェスト、ビンセント・リーガン、ロドリゴ・サントロ テーマ:300<スリーハンドレッド> - ジャンル:映画
GというよりSガール嫉妬にかられたスーパーヒロインの元カノが、人間離れしたパワーを駆使してストーキング!なんとも単純明快で、コメディファンにとってはこの上なくそそられる設定である。ヒーローもの(とりわけスーパーマン)のパロディを主軸に据えたプロットも、お約束満載で多いに楽しめる。しかし惜しいかな、キャラクターの練り込みが足りない点がマイナスだ。まず主人公に感情移入できないのが致命的。モテないキャラなのに誠意なし。何を考えているのかわからない。ジェニーのこともハンナのことも、何故好きになったのかはっきりしないから、ただエッチさせてくれそうな相手に近づいているだけにしか見えない。・・・ハァ。観ていてため息が出てきたよ。いつもツルんでいる友人(エロのことしか考えていない軽い輩)との対比をはっきりさせるためにも、主人公には筋の通った部分が必要なのである。しまいには友人とキャラが逆転してしまっている。それから、ハンナのキャラ造りも甘い。モテない主人公にちょっかいを出す尻軽の尻ガールかと思いきや、意外とまじめな一途っ子。前半の描写は要らんだろ。ここまでくると脚本の推敲をしていないのではないかとさえ思えてくる。個人的に好きな種類の映画で、お気に入りになり得ただけに、詰めの甘さがもったいなくて仕方がない。とはいえ、その筋にはユマ・サーマンのスーパーヒロインっぷりだけでも観る価値あり。「プロデューサーズ」、そして本作と、ここのところのユマ・サーマンのはじけ具合は魅力的。2点/5点満点 -------------------- Gガール 破壊的な彼女My Super Ex-Girlfriend06/米 監督:アイヴァン・ライトマン脚本:ダン・ペイン製作:ギャヴィン・ポローン、アーノン・ミルチャン製作総指揮:ビル・カラッロ音楽:テディ・カステルッチ出演:ユマ・サーマン、ルーク・ウィルソン、アンナ・ファリス、エディ・イザード、レイン・ウィルソン、ワンダ・サイクス テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

 

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